シリコニット電気炉は、シリコニット発熱体を合理的に装備した電気炉であり、最高炉温1600℃までの熱源として、金属工業、造機工業、窯業、化学工業および研究開発などすべての工業に広く貢献しています。
また海外でも多く採用されています。
弊社では発熱体工学、熱工学、耐火物工学、電気工学、機械工学および化学工学などを基礎として、合理的設計を行ない、常に、各用途に適したシリコニット電気炉およびその付属装置一式を製作し、好評を博しています。
なお、用途によっては、カンタル炉、ニクロム炉などの金属抵抗炉も製作しています。
また、標準定格炉のほか、精密電気炉、各種ガス雰囲気電気炉、ガス変成炉ならびに自動連続炉、トンネル炉などいろいろな形式の電気炉も製作しています。
1. 電気炉の電気容量の求め方
電気炉は、炉体の構造、大きさ、昇温速度、挿入物などによって電力容量が定まるもので、発熱体の数で容量を決めるのではありません。
林達夫博士の下記実験式は、シリコニット電気炉に対しても実際と一致するものが多いのです。この公式は、氏の学位論文の一部ですが、炉材の進歩などを取り入れ、係数を弊社で若干修正したものです。
すなわち
P=C×a0.9×θ1.55×t-0.5 ……… (1)
P1=C1×a0.9×θ1.55 …………… (2)
P2=P1+Q ……………………… (3)
ここに
P = 最大電力 kW
P1= 保持電力 kW
P2= 常用電力 kW
C = 炉構造による係数で、耐火レンガ部が厚く熱容量と熱損失のやや多い炉は、35〜38、普通構造の炉は、28〜35、弊社設計製作のシリコニット電気炉は、15〜20ぐらいに採ります。
C1=炉構造による保持係数で、保温不良で熱損失の多い炉は、10〜12、 普通の炉は、 7〜9、 熱損失の少ない炉は、 5〜6ぐらいに採ります。
a = 炉内有効面積u、ただし非露出式炉は、遮蔽物や炉床板を、また管状炉は炉心管をともに取り除いて計算します。
θ = 炉温℃/1000
t = 空炉の昇温時間 h
Q = 挿入物が1時間当たり持ち去る(または吸収する)
熱量をkWに換算した数値。
一般には、P=1.5〜2P1程度のものが多く、またP≧P2でありQの特に大きい炉はP=3P1ぐらいとすることもあります。この公式は簡略な実験式で、複雑な多種類の炉をすべて律することはできません。 |